「そういうわけじゃっ……!
せっかく、誘ってくれたから、岩崎くんとお友達になれるチャンスかなとは思ったけど……」
「………」
「ハ、ハルちゃんも誘ったんだけど______「ほんと、どうでもいい。」
「っ……」
冷たい目、冷たい声。
ああ、またやっちゃたかな。
「出会って間もない男にホイホイついてくのってどうなの?
大体、こうやって簡単に男の家にあがってんのも危機感なさすぎ。
……ほんと、むかつく。」
「ご、ごめんなさい……」
私の言葉なんて聞く耳持たず、立ち上がった蓮はリビングから去った。
また、怒らせてしまった。
久しぶりに一緒に帰れたことも、お家に来れたことも夢みたいに嬉しくて。
バチが当たったんだ。
蓮が私に微塵も興味がないことをつくづく思い知らされる。
好きな人に嫌われるって、こんなに苦しいんだね。
「____________いいかげん、俺も大人しくしてられねえっての」
そんな声は聞こえず、必死に涙を堪えていた。
甘酸っぱいアップルパイを口いっぱいに頬張って、どうしようもない切なさを閉じ込めた。
