タイトル未定

蓮のお家にお邪魔するなんて……


緊張しないわけがない……!


靴を脱ぐだけなのに手が震えてる気がして、うまく脱げないっ。



蓮は、いつの間にかキッチンでカチャカチャと物音を立てていた。


ホワイトグレーを基調とした北欧モダンなお家。

テレビの前にあるダイニングテーブルを囲うソファへ座る。



「ん」

「あっ、ありがとう……」



1ピースのアップルパイと紅茶を出してくれた。

つやつや光るパイ生地から香ばしいバターの香りが漂ってくる。



「いただきます」



フォークでサクッと一口大に切り、口に放り込む。

生地はサクサクで、りんごはとろっととろけるような口当たり。

おそらく自家製のカスタードクリームは私好みのさっぱりとした甘さ。


思わず頬が緩み、おいしい!と言葉が溢れる。



「…………」



パクパクたべている私を横で腰にかけた蓮がじーっと見つめる。

がめついなとか思われてたらどうしよう……!

そんなに見られると恥ずかしいんだけど!