「ハ、ハルちゃんっ……」
「ん?あ、柚々ー!
これから皆でカラオケ行こうって話になったんだけど、柚々も行こうよ〜」
ハルちゃんは、ね?ね?と瞳をキラキラさせて聞いてくる。
行ってみたい気持ちはあるんだけど
カラオケってみんなの前で歌うの、緊張しちゃうし
大人数はちょっぴり苦手。
先に岩崎くんから帰ろうって言われちゃったし……。
よし、断ろう。
「ごめんね、今回は大丈夫!
また誘って?」
「………っ」
にこっとみんなに微笑むと、顔が赤くなる子がちらほらといた気がするけど、
教室がすこし暖かいせいかな?
ハルちゃんと一緒だったら大丈夫だと思ってたのに……。
助けを求めたものの、いくらハルちゃんがいるとはいえ
あの人数の中に入ることは、もっと勇気がいる。
こうなったら岩崎くんと2人の方がまだ緊張しないかな……。
「岩崎くん、お待たせ。
友だち、これからみんなとどっか行くみたいで、
私だけになっちゃうんだけど大丈夫……?」
「うん、もちろん!
というかそっちの方が嬉しいっていうか……
じゃなくて、じゃあ行こうか?」
