私も起き上がって

急いで身なりを整えた



「帰るでしょ?
途中まで送るよ」



「うん…」



学校でする時もそうだけど

余韻に浸ってる時間なんかない



いつも

悪い事をしたみたいに

無言で制服を正す



何もなかったみたいに



誰にもバレないように



目が合うのは

杉山が触れてくれてる時だけで



クラスでは

特に仲がいいわけじゃなかった



私が知ってるのは

杉山が陸上部だっていうことと

その陸上で杉山は春から大学に進学する



それも

杉山から聞いたわけじゃなくて

同じクラスだからなんとなく耳に入ってきた



あとは

杉山の…



杉山の好きな人



杉山の好きな人を知った事で

私達の関係は始まってしまった



杉山は

まだあの人のこと

好きなのかな?



さっき好きとか言ったのも

さっきキスしたのも

私とあの人を

ただ重ねてるだけ?



どーせ、もぉ会わないからいいだろって?



最後だから

カッコつけたかったのかな?



なんだ…



私はホントに



私はホントに

杉山に恋してたよ



本当にバカなのは

私だ