『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月


大会の結果を学校の掲示板で見た



杉山

2位だったんだ



頑張ったね

先生に励ましてもらったかいあったじゃん



「気になった?
オレの結果」



後ろから急に声がして

驚いて振り返ったら

杉山が立ってた



「そんなビックリしなくてもいいじゃん
杉山2位だったんだ
1位じゃなかったじゃんって
バカにしてた?」



「そんなことないよ
2位って、すごいじゃん!
おめでとう」



「まぁ、次の大会には行けるけどね
ホントは1位とれた」



「え…わざと?」



「うん…
コレは誰にも言うなよ」



「なんで…わざと…」



「アレじゃ…足りない…
先生の気持ち、足りない…」



「え…?」



「そーだなー
キスぐらいしてくれないと
1位は難しいかな…」



確信した



杉山

本当に

先生好きなんだ



杉山は

冗談ぽく笑ってたけど



私は

笑えなかった



だって

杉山が

ホントは辛そうだったから



それは

1位じゃなかったことより



先生の気持ちが

自分にないことの方に対してだと思う



先生は

杉山のこと

嫌いとか好きとかじゃなくて



生徒のひとりとしてみてる



上杉は

きっと

それじゃダメなんだ



先生の

1位になりたいんだろうな…