「昨日、また見てただろ」
次の日
杉山に言われた
やっぱり
夢じゃなかった
「だって、あんなところで…」
私は悪くない
「浅倉、なに動揺してるの?
変なこと考えてる?」
「変なことって…」
「エロいこと?
顔赤いよ」
「え!」
「ただ、励ましてもらってただけ
…
週末、大会なんだ
だから、がんばるから…って…」
励ましてもらってた
それ
浮かばなかった
「へー…そーなんだ
頑張ってね」
「うん、ありがと
浅倉も、オレに抱きしめてほしい?」
「え!」
「朝倉、声デカ」
やっぱり
抱きしめてたじゃん!
あー…
顔が熱い
「みんなには言わないから安心して」
「別にいいよ
みんなに言っても
噂になればいい」
え…
今度は息を飲んだ
声が出なかった
杉山の顔が真剣で
少し辛そうだったから



