『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月


「昨日、また見てただろ」



次の日

杉山に言われた



やっぱり

夢じゃなかった



「だって、あんなところで…」



私は悪くない



「浅倉、なに動揺してるの?
変なこと考えてる?」



「変なことって…」



「エロいこと?
顔赤いよ」



「え!」



「ただ、励ましてもらってただけ

週末、大会なんだ
だから、がんばるから…って…」



励ましてもらってた



それ

浮かばなかった



「へー…そーなんだ
頑張ってね」



「うん、ありがと
浅倉も、オレに抱きしめてほしい?」



「え!」



「朝倉、声デカ」



やっぱり

抱きしめてたじゃん!



あー…

顔が熱い



「みんなには言わないから安心して」



「別にいいよ
みんなに言っても
噂になればいい」



え…



今度は息を飲んだ

声が出なかった



杉山の顔が真剣で

少し辛そうだったから