あれから数日後。

「では、明日は……振替休日で休みですので、来週会いましょう!」

そう言って、教室を出ていった担任の先生の背中を見つめていた風音は「……終わった……」と伸びをすると通学用カバンを手に、カバンに教科書を片付けている葉月のもとへと向かった。

「葉月」

「……おまたせ」

葉月は風音と目を合わせると微笑んで、風音の隣に並ぶと歩き始める。

「……風音、明日から休みだし……調査の方がどうなってるのか、見に行こうよ」

葉月がそう言った瞬間、風音の耳にバサバサと風を切る音が届き、風音は音がした方に視線を向けた。

「……フクロウ?」

次の瞬間、風音と葉月の目の前に姿を見せたのはフクロウで、フクロウはクチバシに綺麗に折り畳まれた紙をくわえており、風音はフクロウから紙を受け取ると紙を広げる。

「……ギルベルトさんからだ……えっと、分かったことがあるから至急来て欲しい、だって……葉月、行ってみよう!」

風音は紙を制服のポケットに入れると、扇子を取り出して葉月を抱えて空へと飛び上がった。



風音と葉月がギルベルトの屋敷に向かっている頃、2人と学校の違う真冬は1人教室でため息をつく。

「……風音たちは、いいな。明日から三連休だから……」

そんなことを呟いた真冬は、明日の予定を確認すると教室を出た。