第一章 スキのはじまり

入学してからあっという間に一週間が過ぎ、俺達1年生は部活動見学をすることになった。
「山下は何部見に行くの?」
隣の席の三浦が言った。三浦は眼鏡をかけていて一見大人しげだが、一週間でクラスのムードメーカーになるほど陽気なやつだ。
「ソフトテニス部だよ!小学生の頃からやってるんだ!三浦は?」
「ソフトテニスかー。エアケイとかやるんだろ!オレはまだ決まってないや!」
「違う違う!エアケイは硬式テニス!ソフトテニスはゴムのボールで、打ち方も硬式と少し違うんだよー!良かったら三浦もソフトテニス見に行かない?」
「へえー、なんか興味湧いてきた!行ってみようかな!」
こうして俺と三浦はテニスコートに向かった。