儚く甘い

「ぷっ」
みわの言葉に、歩幅をあわせて歩いていた達哉が吹き出して笑う。
「どうして笑うの?」
「ばかだろ、服選ぶ基準がそれだったら。」
達哉の言葉に、自分がした質問を思い出す。
「確かに」
思わず笑うみわ。

2人はけらけらと笑い合うのだった。

達哉は内緒にしていた。
あの日、たまたま屋上で持っていた水。
別れるときにみわからもらった水。

なぜか自販機を通るたびに思いだして、いつの間にか買っていたことを。