儚く甘い

達哉は少しだけ体を離した。
みわの顔をまっすぐに見つめる。
「だから無理して笑わなくていい。泣きたければ泣けばいい。」
すべてを受け止めてくれるような達哉の言葉に、みわの表情が崩れる。
くしゃくしゃにして、泣き顔になるみわ。

「薬、どこにある？」
なり続けるアラーム。
みわは達哉の言葉に、自分の財布の中に入っている薬を出して口に入れた。
いつものように、達哉はポケットから水を出してキャップを外してみわに渡す。

達哉から預かった水を口に含み、錠剤を飲み込む。

達哉はみわの携帯電話を手に取り、アラームを消すとなり続けている着信画面をみわに見せる。