儚く甘い

泣き顔をみわに見せないようにと、裕介が家に来てからリビングに戻っていた母。
「どうかな。顔色はまだ悪かったけど、みわなら無理してでも食べるだろうから。」
「そうね」
みわの強がりは、母も良くわかっている。
「様子見て連れてきてあげて?部屋に運んでもいいから。」
「了解」
裕介はコップを持ってみわの部屋に向かった。

「みわっ!?」
ベッドの上で蹲るみわに、裕介は慌てて駆け寄る。
苦しそうに胸を抑えるみわ。

その額には汗が滲んでいる。
「しっかりしろ!母さんっ!母さんっ!」
裕介はみわが呼吸がしやすいようにベッドの上に体を横にする。