儚く甘い

『ピピピッ…ピピピッ』
その時、みわの携帯のアラームが鳴った。
裕介はみわの頭を撫でていた手をとめて、すぐに立ち上がる。

「水、持ってくるな。」
「・・・」
少し頬を膨らませているみわ。
隆文と自分が心配するとみわはやるせない気持ちをこうして表現する。
何よりも自分自身を責めているみわ。
でも一番つらいのはみわだと、隆文も裕介もわかっている。

裕介は1階のキッチンへ向かい、コップに水を入れる。
みわのアラームが鳴っている時は、隆文と裕介の時計のアラームもなる。
母の携帯電話も鳴る。

「食事できてるから、みわに言って?食べられるかしら。」