儚く甘い

みわまで奪われそうになっていることへの憤りを感じながら隆文は母をのこしてみわの部屋を出ると、裕介に現状を伝える連絡をした。


「・・・」
「おはよう」
みわが目を覚ますと、隣には裕介がいた。
「大丈夫なのに・・・」
隆文が連絡をしたとすぐにわかったみわが頬を膨らませる。
「いいだろ?かわいい妹の顔を見に来たって。」
「全然帰ってこられないくらい忙しいんでしょ?」
「まぁな。俺、期待のホープですから。」
穏やかに話をしながらも裕介はみわの顔色の悪さに、内心動揺をしていた。

今、みわが飲んでいる薬も裕介が改良を加えているもので、次に承認を待っている更に改良した薬が承認され、使用を開始してもそこまで劇的な効果があるとは思えない。