儚く甘い

必死に探しても葉月を見つけられなかった。

兄からもらったバイクを走らせて、思い出の場所をいくら探しても葉月は見つからなかった。
バイバイと連絡を切った葉月が考えていることがすぐにわかっていた達哉は必死に探した。

なりふり構わず、必死に探して探して探して。

携帯電話が鳴ったのは次の日の朝だった。

「この場所で葉月は命を終わらせた。」
達哉の言葉にみわは目を見開き驚きを隠せなかった。

みわが命を投げだそうとしていたこの場所で、達哉の大切な人が命を落としていたことに、衝撃と後悔を感じた。