儚く甘い

「葉月も兄貴のことも、俺のことも知ってるやつからある日、すごい回数連絡が入って、バイト中だった俺はバイトが終わってから折り返し連絡したんだ。そしたら、葉月がいなくなったって連絡だった。」
達哉が空から視線を下げる。

「俺には連絡が来てたんだ。葉月から。でもそいつの話だと3日以上連絡がとれない状態だったらしい。」
悲しそうに辛そうに唇をかみしめる達哉に、みわは思わず達哉の手を握る。

「葉月に電話をする時、俺人生で一番手が震えた。葉月がすぐに俺の連絡に出てくれた時も、葉月の声を聞いた瞬間手が震えて止まらなかった。」
達哉は大丈夫だとみわを安心させるように無理して微笑む。
でもその瞳の奥には切なさが痛みと感じるくらい、後悔が滲んでいる。

「バイバイって言った葉月は、すぐに俺の電話を切ってそのまま自分で命を終わらせた。」