儚く甘い

ずっと葉月からの連絡を無視していたことを達哉は後悔しながら、再会した葉月があまりにも昔と変わっていたことに、正直うろたえそうになった。

再会してから、達哉は葉月からの連絡を取るようになり、定期的に一緒に食事をするようになった。

小学校の教師になった葉月を、達哉は迎えに行って、夕飯を一緒に食べる。

はじめはあまり会話もないまま食事をするだけだった二人。

元のように話せるようになったのは再会から半年が過ぎたころからだった。

それでも、兄の話がふと出ると、悲しそうな顔をしてうつむく葉月。

葉月の心の中の暗闇を達哉は知りながらも、何もできずにいた。