儚く甘い

みわは来た道を少し戻り、駆け足で校門に戻る。

「ねぇ」
「?」
まだその場にいた達哉に声をかけるみわ。

「これ」
「ん?」
「お返し」
みわが男に渡したのはペットボトルに入った水だった。

「あー、サンキュ」
達哉はみわから水を受け取りポケットに入れる。
「ねぇ」
「ん?」
「聞かないの?」
「何が?」
「んー、いろいろと?」
みわが達哉に近づき顔を覗く。