「ねぇ、お母さん?」椅子にすわっている少女がウキウキとした声で母に尋ねる。
「どうしたの?」頬に手をつきながら嬉しそうな表情を浮かべた母が返事をする。
少女も母親と同じように頬に手をあててさらに問い返す。
「お父さんもうすぐ帰ってくるかな?」
そう聞かれると母親は時計を見てこう答えた。
「後もう少しで帰ってくるわよ」
そんな会話をしている親子の目線にテーブルいっぱいに広がったご馳走があった。
色とりどりの野菜が盛り付けられたサラダや、ツヤツヤに輝いているお刺身。漫画で見るような大きなステーキなど。
そして中央に置いてあるメインの純白のクリームと宝石のように輝いている真っ赤なイチゴの乗ったケーキ。