意味の分からない周の言葉を遮ったのは華花で。顔がこれでもかって位に真っ赤になって、プルプルと震えていた。
「な、何を言っているの!?」
「私はお嬢様が心配で……」
「ひどいわ!私の日記、勝手に読んだのね!?」
「申し訳ありません。たまたま開いてあって…目を通してしまいました」
「も、もういいわ!泰良、こっち来て!!おばあさまが会いたがっているのよ」
「意味分かんねーんだけど」
「……………いーのよ、全部 周の妄想よ!最近おかしいのよ、家の中でよく叫んでるし、泣いているし」
華花が俺の腕に手を組んで、引っ張るように自分のばあちゃんの所へ連れて行く。
「あら、ふふふ。華花ちゃんのお友達かしら?美味しいケーキがあるのよ。一緒にいかがかしら?」
華花のばあちゃんは着物をきていて、この間と同じ綺麗で穏やかな雰囲気だ。
テーブルにはケーキと紅茶が綺麗に並んでいる。なんか、金持ちのお茶会みてーだな。
「それとも、華花ちゃんの好い人なのかしら?」
「いやだわ、おばあさまったら!そうなの、好い人なの、恋人なのよ!」
「おい、違うだろ」
「あらあら、いーわねぇ」
こうやって並ぶと、笑い方とか華花と似てるな。持ち合わせる雰囲気、喋り方も、人の話聞かねーとこも同じゃねーか。
「今日くらい、いいでしょう?」
ふふっ、と華花が目をキラキラさせて嬉しそうな表情を見せるから。まぁいいか。



