こいろり!




え、酔ってるってお酒を飲んだってことかしら?
こんな時間に子供だけで出歩いてるの?
電話口で言い合いが始まってるけど大丈夫かしら?

問題が多すぎて、頭が全くまとまらないわ。



「ちょっと、泰良も赤司も!あんまり騒ぐと周に見つかって怒られてしまうわ!」


と言ったところで、ゲラゲラと2人の笑い声がスマホから聞こえてくるだけだから。いつ、周が気付いてしまうんじゃないかハラハラしてしまう。




「華花、よく見とけよ!」

「え……?」



バン!!と、大きな音が耳に響いた。

一瞬、目を疑った。
団地の外灯の明かりと星と月の光だけ。窓の明かりは殆ど消えていた。


真っ暗な空に、小さな花火が打ち上がる。
白い光が一瞬で消えて、チリチリと舞っていく。

1つ、2つ、3つ──で、最後かしら。



「泰良がさ、華ちゃん怒らせたって落ち込んでたんだよ!許してやってよー」

「あぁ?言ってねーし、落ち込んでなんかねーよ。そもそも華花怒ってねーもんな?」


何よこれ。信じられない。
夜、突然来て、勝手に家の前で花火あげるなんて意味が分からないわ。何を考えているの?