こいろり!



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(泰良)

華花の部屋ってどこ?2かい?

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画面に表示されたのは泰良からのメッセージに驚いて、部屋の窓を開けるとフェンス塀の向こう側に人の影が目に入った。
すぐにその頭が金色と赤色だと分かる。

次の瞬間、手に持ったままのスマホの着信が鳴り響いた。

泰良からのはじめての電話だわ!



「は、はい!」

「ふはっ、ははは。華花だー、何やってんだよ?」

「えぇっ!??」


スマホ越しから聞こえてきたのは、泰良の声だけど、いつもの泰良じゃない。

どうしたのかしら?



「なぁ、外 出てこられるー?」


いつもより明るくてテンションの高い声色に、戸惑いを隠せない。

部屋の時計を見ると午後9時半を過ぎたところだった。



「こ、こんな遅くに出られるわけないでしょ!何を考えているのよ!?」

「うわー、華花が怒った……ふはは」

「怒ったわけじゃないけど。泰良?あなた変よ。一体どうしたのよ?」


「華ちゃん、ごめんねー。泰良、ちょーっと酔ってるみたいでさー」

「赤司!お前、勝手にスマホ取んなよ!」

「ねー、華ちゃんさっきの写真ウケたでしょ?泰良の落書きー」

「あぁ?なーに勝手に送ってんだよ!?」