ママったら、お話するたびバンコクへ来ないかって言うんだもの。
1つ小さな息を吐いてベッドに横になった時、スマホがピコンと音を立てた。
「もしかして、泰良かしら!?」
パッと画面に目を落とすと、泰良じゃなくてその親友の赤司からだった。
一瞬ガッカリしたけれど、送られてきた画像に目が釘付けになる。
そこには、顔に落書きをされて怒ってる泰良が写っていた。
────────────────
(赤司)
トランプで負けた罰ゲーム中の泰良w
華ちゃんにプレゼント♡
────────────────
「素敵っ、本当に素敵だわ!可愛い!赤司ありがとうっと」
赤司に返事をしてから、送られてきた画像を保存する。
泰良の頬に黒ペンでお花とハートのイラストが描かれているから、きっと赤司が描いたのねと口許が緩んでいく。
パパ、ママ、ごめんなさい。会えないのは寂しいけど、やっぱりバンコクへは行けないわ。
泰良とは出会ったばかりだけど、もっと泰良のこと知りたいし一緒に過ごしたいの。
ピコンと、続けて通知音がなるから赤司からの返信だと思ってスマホを手に取ると──。



