こいろり!




その小さな頬を桃色染めて、目を輝かせるこの華花の反応。

まさかな。まさかとは思うけど──。



「おい、周、ちょっと来いっ」


赤司と華花が盛り上がってる中、周の腕を引いてトイレ手前のスペースへ移動した。



「なんなんだよ、あれはよー?」

「何がですか?」

「だから、何で華花がこんな所にいるんだっってんだよ!?お前らに合わねーだろ、こんな場所」


周を壁に追いやって後の壁をドンッと打ち付けるも、こいつは顔色ひとつ変えず全く動じない。
少し間が空いてから、コホンと咳払いをして周が口を開いた。



「単刀直入に申し上げますと……、とても残念なことに華花お嬢様は泰良さまに好意を持ってしまいました」

「はぁぁぁ?こ、好意ぃ??」

「はい。好意とは、特定の方に向け尊敬や愛情を持つ恋ごころのこと。とてもとても認めたくありませんが、お嬢様は泰良さまが好きで好きで堪らなくなってしまったそうです」


普通に無理だろ?
…止めねーの?つーか、止めろよ。

周の言葉に頭がくらくらして、その場で足元がよろけた。




「仕方ありません。まぁ、ちょっと悪ぶってる身近な年上の男子に惹かれるのは、あのくらいの年頃の女の子にはよくある事でしょう」