「赤ちゃんって大人の男の人と女の人が結婚したら出来るんでしょう?」
「………………」
「璃香子、結婚してないのに何で赤ちゃんがやってきたの?」
華花が大きな瞳をパチパチとさせて、不思議そうに首を傾げた。
「……………」
泳がせた視線を華花に戻せば、キョトンと純粋な目を俺に向けている。
「ねぇ、泰良。赤ちゃんって、どうやってできるのかしら?」
「お、俺もさー。子供だからよく知らねーんだ。周、お前 大人だから教えろよ」
「周、教えてちょうだい?」
「はぁ、そうですね。例えば、璃香子さまはもう大人の仲間入りをしています。大人の恋人同士が愛し合って恋愛のボルテージが満タンになると、赤ちゃんが完成するのですよ」
「へー、そうなの?」
「ぶはっ……」
ひー、ひー。ボルテージってなんだよ。乙女ゲームかよ。
思い切り吹き出せば、ゴホンと咳払いをする周に思い切りにらまれた。



