「それで、璃香子さまはご病気か何かなのでしょうか?」
周がギロリと俺に目を向けると、華花も不安そうな表情を見せた。
周が調べて知られるのは時間の問題だろうし、華花も心配してくれているのが伝わってくる。
本当は璃香子には口止めされてるけど──。
「璃香子、妊娠してんだよ。分かったばっかだからまだ言いたくないみたいでさー」
「「ええっ!?」」
周と華花の驚きの声が重なった。
やっぱりまだ周も知らなかったか。悪りーな璃香子。
「なんか切迫?切迫流産ってので……」
「りゅ、流産って赤ちゃんダメになっちゃったの!?」
「違う、違う。俺もよく知らねーけど、とにかく今が大事な時期で、安静にしてれば大丈夫なんだって」
華花の顔が真っ青になるから、慌てて説明を付け足す。
「そうなの?……分からないけど、大丈夫なら良かったわ!でも、とうぶん璃香子には会えないのね」
「あー、こっちには来れねーだろうな」
「……あれ、璃香子って結婚してたかしら?」
「え、いやまだだけど。そのうち籍入れんじゃね?」
兄貴と璃香子はおめでた婚になるから、向こうの親とちょっと揉めてる的な話を母ちゃんがしていたな。
「どうして赤ちゃん出来たのかしら?」



