「わ、私は大人じゃないし、どうせまだ子供よ!我が儘だし、素敵な女性じゃないかもしれないわ!」
「…………あぁ?よく分かってんじゃねーか!」
「だけど、泰良だってまだ子供じゃない!すぐ怒鳴るし、物にあたるし、前に周に手を出したし!」
「あれは、周が悪りーんだよ!あっちも認めてるし……」
「や、やっぱり……、さっきのこと。あのお菓子みたいな袋のこと!私の頭をポンポンしてくれたら黙っててあげるわ!」
突然、華花が変なことを言い出すから驚いた。
「はぁ?お前、何言ってんだ?」
「だから、今、私の頭を撫でてくれないと周とママに言うわよ!言っちゃうんだから!」
「なんだよ、それ?」
「ほら、早くしなさいよ!」
「…………あぁ??」
唇を尖らせて、まるで不貞腐れるように、大きな瞳がギッと俺を睨み付ける。
潤いの増したその瞳にとらえられて、戸惑いながらもその小さな頭に手を伸ばしてしまった。
右手で柔らかい髪を撫でると、白い耳当てが落ちて華花の肩に引っ掛かる。
そのまま、吸い寄せられるように両手でくしゃくしゃに撫でた。



