例えば、華花が5年後中学生になったら、俺は大人なんだよな。結局、いつまでたってもこの年の差は埋まらないのか──。
「泰良、リエーって子にプレゼントされたのかしら?」
華花が口に両手を当てて、白い息を吐く。
駐車場で華花と俺が2人並んで立つのは、周の迎えを待っているからで。店のライトアップも落ちて辺りは真っ暗だ。
「あぁん?その話はおしまいだろ?」
「だって、璃香子が恋人同士って言うから……気になってしまうのよ!それ以上は聞かないわ!だから……」
なんで、まだ続くんだよ。自分の今日の失態に、大きな溜め息を吐く。
「あー……、プレゼントーとは言ってたけど、教室でじゃれて利瑛がポケットに突っ込んできただけだし」
「……リエーって子は泰良の、その……良い人なのかしら?」
「はぁん……!?利瑛は男だよ、気持ちわりーな!!」
俺の叫び声が辺りに響けば、華花の表情がぱぁぁぁぁと明るくなった。
「リエー、リエイ……!そうなのね!?女の人かと思ったわ!」
「…………」
なんだよ、こいつ。さっきの会話で、利瑛のことリエって女だと思ってたのかよ。



