こいろり!





「……わ、分かったわ!」


華花が右手に拳を作って力強く頷く。
その目の前には、穏やかに微笑む璃香子がいて。すげーな、大人だなと璃香子に視線を向けた。

俺と5歳しか変わんねーのに。いや、5歳もか。

そういや、俺と華花も5歳違うんだよな──。




「さっすが、俺の嫁~。良いこと言うな~」


璃香子の隣で酔っ払った兄貴がケラケラと笑うから、一気に雰囲気が台無しになる。



「ちっ、おめーは使わなかったくせに……」

「あぁ?なんだと!?今、なんつった?」

「あんた達!もう余計な事、言うんじゃないよ!?」


ボソッと文句を言えば、また母ちゃんに俺と兄貴が叩かれる事となった。


その後、なんとか夕飯の鍋も無事に終わって、片付けモードにはいっていく。



「璃香子。土鍋は俺が運ぶから」

「ありがとう、泰良くん」

「泰良はホント璃香子には優しいのな~」


土鍋を運ぼうとする璃香子に声をかければ、コタツに入りっぱなしの兄貴がまた突っ掛かってきた。



「お(めえ)が気遣えよ!この酔っぱらいが!!」

「あー?うるっせーなこの璃香子びいきが!」


「ふふっ、みんな仲がいいのね!」


そんな様子を見て、華花がにこにこと笑顔を見せながら食器を運んでいく。