それは、きみのあまいくせ






「なに。どうしたの、ゆる」

「っな、なんでもない」



怒っているのに、仕方ないと絆されてしまっている。

全く可愛い、俺の彼女。

きっと明日こそは、俺のペースに呑み込まれないと意気込みはするのだろうけど。

まあ、恐らく無駄だろう。

けれどもしも怒ったならば、こうして手をつないでゆるしてもらおうと思う。


「そう」


俺が頷けば、彼女はこちらを見て「そ、そうなのっ」と、また顔を逸らして頷き返す。


その姿がやっぱり可愛いから。

彼女の愛らしい〝くせ〟の詰め合わせを見るために、明日も、絶対にキスしてやろうと思ったのだ。













:*・*゚.:。+゚ それは、きみのあまいくせ end