そんなとき、中学三年生になって初めてクラスが離れた。
ただの『ともだち』が、違うクラスになっただけなのに、なんだか退屈だった。
言ってしまえば物足りない。
とにかくその一年間は、中学生活一番楽しくなかった。
そんな中、高校の受験期。
彼女は頭がよかったから、地元で一番頭のいいと言われている公立の高校に行くと思った。
案の定、彼女はそこを受験し、見事合格。
入学式の日に彼女に声をかけたが、彼女は俺がこの高校に通うことはその日まで知らなかった。
当然だ。黙って受験したんだから。
高校生になると、学科も増えてクラス数も中学の時とは桁違いだった。
同じクラスになることはなかったが、出来るだけ彼女との接点を増やした。
まるで自然に。
俺からは決して、彼女の元へ出向いているようには見えないように。