その人には“可愛い“より”綺麗”の方が似合う。
やっぱり、私とは大違いだよね………。
でも、せめて最後くらい、雰囲気良くさせたい。
だって二人の幸せを願ったんだから───
「初めまして、海堂 小町です。」
私もペコッと頭を下げる。
今だけ、耐えれば─────。
この時され耐えられたらもう大丈夫。
「告白、大成功だったんだね。
良かった。」
無理矢理笑顔を作ってそう言う。
雪くんは恥ずかしいのか、嬉しいのか、微笑み返した。
「じゃあ礼に何かそこの自動販売機で飲み物買ってくるわ。」
そう言ってあっという間に居なくなった雪くん。
すると突然、芽衣さんが私の横に座った。
「小町ちゃんって呼んでもいい?」
そう言う声は優しく、包囲力のある声だった。
私はこくっと頷くと芽衣は嬉しそうに微笑んだ。
「─────雪のことが好きなんでしょ?」
「…………えっ」
思わずそう声を漏らした。
な、なんで…………っ
初対面のはず、なのに…………
私の脳内は動揺しまくりだった。
だけど、雪くんは芽衣さんの彼氏。
私が出る幕なんてとっくに終わったんだから。
「ち、違いますよ………!」
やや強調して言った言葉。
その言葉は私の中でぐるぐる回っていた。
「小町ちゃん。いいんだよ。
雪を見てる時の顔、辛そうだった。
それは私が居たからでしょ?
それに、見ちゃって……
雪が私の高校に来た時、きっと小町ちゃんも雪のことを追いかけて来たんだろうけど……………
私達二人を見たときの小町ちゃん、たまたま見たの。」
あ…………
私は何も出来ずに本当に置物状態。
「…………あの、私実は雪のことが好きで告白をOKした訳じゃないの。」
その言葉に絶句した。
「じゃ、じゃあなんで………」
気づけばそんなことを言っていた。
でも、本当に気になったから。
「雪は途切れ途切れになりながらも必死に気持ちを伝えてくれたの。
だから、
この人なら大丈夫かな
って妙に思っちゃって。」
「あはは」と少々笑いながらそう話す芽衣さん。
「賭けてみようって、思ったから。」
ふんわりと笑う芽衣さんに思わず見惚れた。
「小町ちゃんには、後悔してほしくないのよ。
なんか、妹っていうと気を悪くさせちゃうかもしれないけど………
雪の恩人だから─────。」
「私が居るからって、諦めないで。
最後まで気持ちを貫き通してね。」



