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「お、女の子はサプライズ、とか嬉しいんじゃない、かな、?」


「そっか………」

私の話をうんうんと頷きながら聞く雪くん。


あの放課後に言った雪くんの言葉通り、私は毎日、放課後に『こういう風にしたら』だとかを教えている。


────────といっても、私なんかで参考になるのやら。


でも、ちょっとでも雪くんの側に居られるならいいのかな、なんて考えちゃったり。


「───小町は“恋”してるの?」


そんな突然の質問に言葉が詰まった。

『してない』なんて言ったら嘘になってしまう。


だけど、『してる』なんて言ったら──?


「ど、どっちだと思う………?」


そう言って後悔した私。

こんな風に聞くなんて────

絶対“面倒くさい”って思われるのに。


「ご、ごめん……

恋とか私にはまだ分かんなくって……」


『はは……』と笑いながら受け流した私。


「小町に彼氏かぁ~。

きっと気さくで優しいんだろうな~。」


何かを思い描いて言っている様子の雪くん。


───気さく

───優しい

全部、あなたに当てはまっているんですよ、なんて死んでも言えない。


そんな時、勢い良く教室のドアが開いた。

「美南、海堂!

もうこんな時間だから帰りなさい。」

声の主は先生。


「すみません。」


私達はそう言うと急いで学校を出た。


「どうしよっか………」

最初に口を開いたのは私。