「ま、真面目に聞いてよ~」

「ごめんごめん、やっぱ恋する乙女は可愛いね~

初(うぶ)でピュアなこっちゃんは尚更。」


それは一体、褒め言葉なのかはおいといて…………


「しちゃえば、告白。」

さらっとそんなことを言う蒼。

「そ、そんなっ………」


何回も告白しようって考えたけど、

その度に折れるのは私の心で………

「む、無理だよ……!」

「人は変わろうと思わなきゃ変われない


って、どっかの偉い人が言ってた。

だから、後悔しないようにやることはやっておきなよ。

こっちゃんがたとえ失敗しても、ウチらがいるじゃんか!まぁ、小町ならフる奴いないけどね。」

そんな蒼の言葉にちょっぴり目頭がじーんと熱くなった。

やっぱりこういう困った時は友達に聞いてもらうのが一番良いのかもしれない。


何だか少しだけ自信が湧いてきた。


「じゃ、じゃあ頑張って、気持ち伝えてみる……っ」

「そーとなれば、はい、携帯出して。」


何か思い立ったようにそう私のスマホを要求してくる蒼。

私も躊躇わずスマホを渡した。


それから数十秒、スマホを何やらいじっている蒼。


「はい、いーよ。」

そうして渡されたスマホ。

何が起きているのか分からずただただ首を傾げた。

「見てみな~“雪くん”のメール画面。」


そう言われメール画面を開くと、


『雪くん、今日の放課後、教室に来てもらってもいい?

言いたいことがあるの。』

と送信していた。

「な、何これ………!?」

私が蒼に聞くと「え?自信がある内に告白しといた方が良いじゃん!」と笑って返された。


「で、でも、もし、ダメだったら──」

「なーに弱気になってんの!」

「そういわれたって~……」

「大丈夫!やるだけ、やってみよ?」

そんな蒼の猛アタックに根負けしたのは私。


「わ、分かったよ……頑張ってみる……」

「よし!それでこそ、こっちゃん!ってことで少しだけ可愛くなっちゃいましょ~!」

そうして蒼がバックの中から取り出したのはポーチ。

中にはメイク道具やヘアメイクセットなどなど………

そして数分後。

「やり過ぎると先生にバレっから~

んー、これくらいでいっかな?」

「ジャン!」と言われ見せられたのは鏡に写った自分自身。

「す、凄い………っ」

「これでもう大丈夫!

後は放課後まで待つのみ!」

何故か私よりも自信に満ち溢れている蒼にクスッと笑みを溢した。


放課後────かぁ。

怖いと思いつつ、ちょっと楽しみなのはきっと蒼のおかげだ。