貴一も恥ずかしいのか、それをベッドサイドのゴミ箱にサッと捨てるのだが、その妙なリアルさがまたなんとも恥ずかしい。

その時、おもむろに気付いた。

私は昔からPMSが酷く、まだ母が存命だった頃に、遠くの婦人科に連れて行ってもらって以来、ずっとピルを服用している。

そのことを貴一に話したことはなかったので、毎回ちゃんとゴムを使ってくれているが、貴一は自分と血縁のある子供が欲しかったりするのだろうか。

ピロートークなんて面倒だという男も多いらしいが、貴一はいつも、どちらかが寝落ちするまで話していてくれる。

気を遣ってくれているだけかと思い、本当は終わったらすぐに眠りたいのか尋ねたこともあるが、逆にそんな投げやりな関係は嫌だと断言されて安堵した。

「ねぇ、今このタイミングで真面目な話をしたら嫌?」

そう尋ねると、

「どんなタイミングでも、真面目な話は聞くよ」