運悪く、貴一の休日は連続で雨が続いたが、今日はまさに散歩日和といった感じの、穏やかな晴天。

今でもまだ、何となく変な感じはするけれど、ベビーカーを押しながら、私たちはゆっくり歩いていた。

近くにある人気の公園に着いた時「世界一美味しいアイスクリーム」と書かれた、移動販売車が居た。

「世界一とは大きく出たなぁ…。試してみるか。待ってて」

貴一は、アイスクリームの販売車に向かい、私はベビーカーを横に、ベンチに座って待つことにした。

「あれっ?明菜じゃない?」

聞き覚えのある声に、私は顔を上げた。