引っ越し…と言っても、貴一の私物を、新居、つまり隣の私の家に移動させるだけではあるが、そんなプチ引っ越しなども済ませた。

今はまだ、貴明のことはお義母さんに任せているが、早く自分たちで面倒をみなくては…と思う。

「明菜ちゃん、焦りは禁物よ。二人とも、あまりにも突然、イレギュラー的な形で人の親になったんだから、最初から自分たちで全部どうにかしようなんて、無理に決まってるもの」

お義母さんがそう言ってくれるので、お言葉に甘えるところは甘えるにしても、いつまでもそれではまずいだろう。

ずっと好きだった人と結婚出来ただけでも幸せだが、義両親がとてもいい人というのは、かなりラッキーなことではなかろうか。