「ううん。私はね…ダイヤモンドは誰かに与えられる親友じゃないと思う。自分がいつかはダイヤみたいに輝きたい。今はただの石ころに過ぎないとしても。その為には内側から磨きをかけなきゃ。いつか、ダイヤのハートを持つ誰かの相応しい人になれたら…なんてね。カッコつけすぎかな?」

そう答えた私のことを、貴一は笑ったりしなかった。

「明菜は絶対にダイヤの原石だよ」

私を見つめて、真面目にそう言ってくれた貴一。

それは、まだ私たちが中学時代の話だ。

中学生の少年少女がこんな会話をしていたら、やはり周りからは付き合っていると思われるのも無理はないだろう。