私は昔から冬が嫌いだ。

寒いとそれだけで気が滅入ってしまう。

特に、冬の朝が本当につらくてつらくて…。

深い眠りから目覚めると、全身が温かく、何故だかとてもホッとした。

隣には、愛しの人間湯たんぽがまだ眠っている。

貴一とは、出逢いからずっと友達のまま、恋人の季節はゼロ、そして、今はかけがえのない家族で…。

あまりにも滅茶苦茶だから、長い夢なのではないかと不安にさえなってしまう瞬間もあるが、この温もりが、決して夢ではないのだと教えてくれている。

ぼんやりと、その端正な寝顔に見惚れていた。

やはり、若い頃のキアヌ似である。