厚かましくも、少しの間、お義母さんに貴明のことをお願いし、貴一の部屋に向かった。

「貴一、本当にごめん。今夜だけ実家に泊まってもらってもいい?」

拝むように言うと、

「すぐ隣だから別にいいけど…一体、何事?」

「ん…これはちょっと女同士の話だから言えないんだけど…今日子、相当メンタルやられてるみたいだから、今夜だけは一緒に居てあげたいの」

貴一をまっすぐに見つめて言う。

すると、貴一も私をじっと見つめ返し、

「わかったよ。子供の頃、友達想いの明菜に惚れたんだしなぁ…」

「ありがとう…!」

そう言って夫に抱きつく。

「だけど、あんまり一人で抱え込むなよ?」