「で!あそこにいる仏頂面で冗談が通じなくて堅物で!」

「校風を乱す者には容赦ない鉄拳を下し」

「「校長までもを病院送りにしたことがあるのが~」」

素晴らしいくらいナイスなタイミングで4人はそう声を揃えて微笑み、当の本人・・・
長身で細く、サラサラの黒髪を肩辺りまで伸ばした少年は4人に向かって「おい、お前ら」と注意したのだが、4人は全く気にする様子もない。

「「「「3年の生徒会長、
二条 総一郎です!!」」」」

まるで台本があるかのように4人はそう声を揃え、微笑んだ。

「そして私が!1年の生徒会役員 白蓮堂 姫香ですわ!」

自慢げに胸を大きく反らし、姫香は言う。
弘人はそんな彼女を見下ろし、「はぁ」と呟いた。

「何ですの、その地味なリアクションは!?
貴方も生徒会入りするんですから、もっと喜ぶべきですわ!」

「はい・・・・ってえぇぇッ!?」

聞いてないよ!!と弘人は心の中で叫ぶ。
明らかに戸惑う弘人に、姫香は首を傾げた。

「あら?言ってませんでしたっけ?」

「・・・全然聞いてないです・・・」

「そうでした?じゃあ、今申しますわ!
ヒロト、貴方は今日から生徒会役員ということで!」

「で、でも他の生徒会の人とか・・・」

「あたしは別にいいよ!」

「俺も別に反対意見ではないな」

「私達もいいと思うよ~」

「思うよ~」

好葉、凛、更にほとりとほたるにまで言われてしまい、弘人は「あぅ」と言葉を失う。
ただ一人、総一郎だけが「はぁ」と大きな溜め息を吐いたが、姫香はそんなの一切気にする様子も無く、茶目っ気たっぷりにウインクして見せた。

「全員賛成のようですけど?ヒロト」

「・・・はい、分かりました・・・」

有無を言わせない姫香の強引さに負け、弘人は素直に頷いた。