―――一方残された弘人は。

「・・・可愛い人だったなぁ・・・」

微かに頬を赤らめ、姫香を思い出していた。
妙にうるさい心臓を抑えつつ、えへへ、と微笑む。

「ヒメカさんか・・・」

人形みたいだったなぁ、と再び弘人は思い出し始める。
まさにお嬢様です!みたいな喋り方も雰囲気も、行動もストライクだったらしい。

・・・つまり、一目惚れ。

「・・・・・ぁあああッ!!」

突然頭を抱えて、大声を上げた弘人。
その顔は・・・真っ青だ。

「そうだ・・・!ヒメカさん、HRに遅刻するって言ってたっけ・・・!!」

こうしちゃいられない、と弘人は慌てて学園へ向かった―――