「耀くん?」





大人達に話をし終わってホームに戻ると見慣れた顔がいた。





「...瀬戸じゃん」





「何、知り合い?」





「中学同じ」





「なるほどね」





2人のうち1人は同級生だった。




こんなとこで会うなんてちょっと情けないというか恥ずかしいというか...





「親呼ばないでくれって言ったんだろ」





「...うん」





昔も同じような事があって親をとても心配させてしまった。




自分が置かれていた状況を鮮明に思い出すから、あの時の親の顔は見たくない。





「瀬戸さん...は1人で帰るの?」





「うん、ここからバスで家の近くまで行けるから。2人共、本当にありがとう」





私が話を聞かれている時も、自分達は終わってるのにずっと待っててくれたんだよね。





「俺、送ろうか?」





ぱっちりおめめに聞かれて思わずうんと答えそうになってしまう、けど。





「気持ちだけで十分!ありがとう」





慌てて顔をそらす。