それはもう、叶うことのないはずの恋だった。

「紗耶が通う大学、俺と一緒だ。」


「え?」



久しぶりに2人でブランコに座り、揺られながら話している。




「俺、ぶっちゃけ沙耶にもう好かれてないって思ってたから。ここに来たのだってダメ元だったし。だから大学もあっちの大学受けたのに……それで一緒とか、奇跡かよ。」


「そうだね、私もまさか奏多と同じ大学だとは思ってなかった。」


本当に偶然だ。



「じゃあさ、紗耶。その、一緒に暮らさないか?」


それってつまり、2人暮らしってこと?


「え、いや、それは……あの……」



「もう、紗耶から離れたくないんだ。」



「………分かっ、た。」



「もう絶対、逃さないから。」