それはもう、叶うことのないはずの恋だった。

公園には、誰もいない。



近所の小学生も。散歩している老人も。



まるで、2人だけの世界だ。



「そっか。」



「そうだよ。」



「ねぇ、奏多。」



「なに?」



「ずっと、会いたかった。」



奏多は少しだけ驚いた顔をして、そのあと私に笑顔を見せる。



「俺も、ずっと、紗耶に会いたかった。」



私の頬に手を添えられる。



「紗耶、お前が好きだ。」



だんだん近づく奏多の顔。




私は、静かに目を閉じた。