パァンとスタートラインの空砲が鳴り響いて、未奈ちゃんが彼の作った義足で走り出した。
大きなスライドで地面を力強く踏んで走っていく。
ぐんぐん加速をつけて大きく飛び上がる。そのまま羽が生えたかのように、ながい滞空時間を持って砂場へと沈みこむ。
その一連の動作が、スローモーションですごく綺麗に見えた。
計測にガッツポーズする姿。笑いあってハイタッチする姿は障害があっても変わらない。
「転ぶ怖さも痛みもすべて、この喜びにくらべたらなんでもない。そう未奈は言ってました」
「大切なんですね、未奈ちゃんのこと」
「戦友です。手に入れるためには戦うことも必要だと教わりました」
すっと北崎さんが息をとめる。
「田口さん、僕と付き合ってくださいませんか」
びっくりして北崎さんの顔を見つめてしまう。
「未奈ちゃんは……」
「付き合っていません。僕はあなたがいい」
大きなスライドで地面を力強く踏んで走っていく。
ぐんぐん加速をつけて大きく飛び上がる。そのまま羽が生えたかのように、ながい滞空時間を持って砂場へと沈みこむ。
その一連の動作が、スローモーションですごく綺麗に見えた。
計測にガッツポーズする姿。笑いあってハイタッチする姿は障害があっても変わらない。
「転ぶ怖さも痛みもすべて、この喜びにくらべたらなんでもない。そう未奈は言ってました」
「大切なんですね、未奈ちゃんのこと」
「戦友です。手に入れるためには戦うことも必要だと教わりました」
すっと北崎さんが息をとめる。
「田口さん、僕と付き合ってくださいませんか」
びっくりして北崎さんの顔を見つめてしまう。
「未奈ちゃんは……」
「付き合っていません。僕はあなたがいい」



