移動しながら北崎さんはポツポツと話してくれた。未奈ちゃんは北崎さんの最初のお客様だったということ。
その未奈ちゃんが、パラリンピックの予選をかけてグラウンドで戦っている。
そしてその未奈ちゃんのパートナーである競技用の義足も北崎さんが作ったということ。
「それじゃ早く行ってあげないと!」
「急ぎましょう」
予選とはいえ家族や友達の応援が来ていて会場は賑わっていた。
「もうすぐ走り幅跳びに出場します」
目をこらすとグラウンドの片隅に選手と計測係の一団が集まっているのがわかった。
一列に並んでいる選手のうち、三番目に未奈ちゃんがいた。赤いタンクトップを着てゼッケンを付けている。長い髪をまとめて真剣な様子で他の選手の競技を見ている。
「あの子、事故で途中から障害を持ったんです。それまで出来ていたことができなくなる辛さを知っている子なんです」
ぽつりと洩らされた言葉には重みがあった。
その未奈ちゃんが、パラリンピックの予選をかけてグラウンドで戦っている。
そしてその未奈ちゃんのパートナーである競技用の義足も北崎さんが作ったということ。
「それじゃ早く行ってあげないと!」
「急ぎましょう」
予選とはいえ家族や友達の応援が来ていて会場は賑わっていた。
「もうすぐ走り幅跳びに出場します」
目をこらすとグラウンドの片隅に選手と計測係の一団が集まっているのがわかった。
一列に並んでいる選手のうち、三番目に未奈ちゃんがいた。赤いタンクトップを着てゼッケンを付けている。長い髪をまとめて真剣な様子で他の選手の競技を見ている。
「あの子、事故で途中から障害を持ったんです。それまで出来ていたことができなくなる辛さを知っている子なんです」
ぽつりと洩らされた言葉には重みがあった。



