――蓮――



「さて、今日は…抗がん剤と、放射線治療を行いますね。木村さん。」


笑顔でそう俺にゆうてくる女医。


「はい。」

俺も極力笑顔で返す。



「なぁ、先生…俺の病気…治るんやでな??」


「もちろんよ。どうかしたの?」



「いや!そうゆう訳とちゃうくて!!何か、細かい説明もないし…ちょっと不安になったってゆうか…」


「…そうね…。


木村さんの癌は……胃がんです。」


「…胃がん…?」


「胃がんの場合、その部分を摘出するか…また放射線治療等で治療するかの二つになります。


…木村さんの、胃がんはまだ小さいので

放射線治療と抗がん剤で充分治りますよ。


…あ、まさか…自分の癌は治らない癌と思って


彼女さんと別れたとか…?」


にやついて聞いてくる女医。


「はぁあああああああああ?!」



俺は、完全なあほや……



胃がんかいっ!!!!!

しかも小さいんかい!!


しかも治るんかい!!!



「……あれ…本当に別れちゃったんですか…。

まぁ残念って事で!木村さんなら許してくれますよ!


彼女さんも!さて、話しは戻るんですが…


小さかった癌はもう殆ど、形がないので…


あと、2回程放射線治療と抗がん剤で治療したのち


再発するかどうか分りませんので、そのまま定期的に通院ということになります。」


はぁ……。