――亜美――


…蓮の………




彼女……。


…突然突きつけられた事実……


戸惑う感情…



麗香さん、あなたと……




入れ替わりたい……


蓮に愛されることができるのだから。


愛される権利を持っているのだから…



私は、あなたに……



近づく事さえ許されない存在……


麗香さん……すみませんでした…


私が蓮と出会ったばっかりに、あなたを



こんなに、苦しめてしまっていたのですね…。



…千秋…



千秋に会いたい……


千秋にこの涙を……




拭いてほしい……




『……亜美……』


えっ…?

「千秋…?千秋なのっ?!」


千秋の声が聞こえた様な気がした……


そんなこと、あるわけないのに……。




幻聴でも何でもいい……



このまま…………



「亜美ッ!!!!!!!開けろや!!!」


へっ?!

私はベットの上で、携帯を見詰めながら…


いつの間にか眠ってしまっていたらしい。




「ん…?!だ………誰?!?!?!?!」



千秋そっくりの声……


もしかしたら…………………


ガチャ…

「どちら………って!!!!蓮っ?!?!?!?!」



…………玄関の扉の向こうで、

私の名を呼んで…扉を叩いていたのは…


千秋じゃなく、蓮だった。