声をかけると先輩が「ん、」と言って目を覚ました。


「あれ、君は……1年生だよね?」

「はい。入学式なんですけど教室までの道が分からなくなってしまって」

「あーそれなら、この先の体育館を左に曲がれば校舎だよ」


助かった~!!


「ありがとうございます!行ってきます」


そう言ってその場を立ち去ろうとしたとき、手をパシッと掴まれた。

その掴まれた先を見ると先輩で。


「どうしたんですか?」

「君ってもしかして長谷紬ちゃん?」



なんで先輩が私の名前を知っているのかは謎だったけど

「そうですけど、」

どれがどうしたんですか、と聞こうとしたところで先輩に言葉を遮られた。