レディ・ローズクォーツ!──あたし、魔法少女だけど、敵組織のライバルの正体が実は幼なじみだったとか聞いてない!


 「「夫婦漫才じゃない」」


 おっと。こいつと言葉が重なってしまった。


 彼もそのことを屈辱的に思ったのか、ぎろりと私をにらみつける。

 間に入ってきたのは、あたしの友人の琴音であった。琴音は、あたしの顔を見て、にこりとほほ笑む。


 「野菊ちゃん、一緒にかーえろ!」


 「別にいいけど」


 「やったぁ!」


 そういって、彼女は、あたしの腕を強引に掴む。そして、あたしと琴音は、いまだあたしの方を見る彼を置いて、教室を出たのだった。